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水 - 3月 8, 2006

ハウルの動く城への評価いろいろ


今頃になって、「ハウルの動く城」(DVD) を見ました。

今頃何かを書くのは、時期を外しているかなーとも思いましたが、ちょうど最近アカデミー賞の発表があったので (受賞は逃しましたが)、悪くもないかなと。

確かに見終わった後に謎の残る映画ではあるのですが、私の中での映画の評価は別に悪くないものでした。しかし、一応謎を調べようかと思って、検索してみたら、悪い評価が結構あることを知りました。

いろいろな評価を知るには、Amazon でのカスタマーレビューを見るのが手っ取り早いでしょうか。その後、友達にも聞いてみて、「ハウルの動く城」への芳しくない評価には、二通りあるのではないかと思いました。

1つは、映画のストーリーそのものについていけていない場合。

人の理解力というのには差がありますから、すべての人がすべての作品を理解できるわけではありません。かなり古い例で恐縮ですが、以前身近に「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」がわからなかった人がいるのを知って、あぁ、そんなもんなのかぁ、と思ったことがあります。時間軸が行ったり来たりするのがわからなかったみたいです。

もう1つは、観賞後に謎が残るということで、不満を残している場合。

多分、こういう人たちは、わかりやすいハリウッド映画とか、「いま、会いにゆきます」みたいな本しか、普段読んでいないのでは、と思いました (言い過ぎ?)。見終わっても確かにクリアにならないこともあると思いますが、こういうのって、いろいろな作品に触れていれば、別に改めてどうこうと言うことはない気がします。実はアニメの「風の谷のナウシカ」を見て満足している人も、原作を読んでみれば何もわかっていないのかもしれないのですが。(原作を読んだ上で興味がある人は、稲葉振一郎氏が書いた「ナウシカあるいは旅するユートピア」なんかを読むとおもしろいかも。)


なんてことを考えていたのですが、「ハウルの動く城」がわかりにくかったのには、それなりの理由があるようです。宮崎駿監督自身がこんなことを述べているのを見つけました。

宮崎とメビウスのページ
宮:ハウルが何をやっているのか描く時間は無かった。仕事のスタッフに聞いたら、自分の妻たちは自分が何をやってるか知らないし、関心も持とうともしていない。じゃあソフィーもハウルが何をしようとしているか、関心持たなくてもいいんだって、そう思ってこの映画を作ったんです。

この対談によると、監督の意図したところは「60歳の少女のための映画」ということらしいです。
メ:確かに彼の最新作は舞台や登場人物の年齢が次々変るなどとても複雑です。ある意味不安になるのは、説明に要される時間が少ないということです。ええと、映画の中でたくさんのことが説明されないままだということです。

宮:60歳の少女のための映画なんです。

メ:素晴らしい。

宮:18歳の自分と60歳の自分は少しも違わないんじゃないか。90のおばあちゃんも18の時と変らないよと私は聞いた。60歳の少女が呪いを解いて18歳に戻るという映画は私にはどうにも納得できなかった。呪いを解くというのはどういうことか。若ければ素晴らしいのか。じゃあ何が素晴らしいのか。どうやったら主人公は幸せになれるのか。それを苦しみながら必死で探したら、こんな映画になったんです。

宮崎監督はこんなことも言っています。

くろねこ亭ーハウル関連記事のページ
ソフィーは呪いをかけられ老女にされてしまう。若さを取り戻すことがその後幸せに暮らすことになるなんてのは嘘ですよ。それは言いたくなかった。年をとるのはそんなにも悪いことだというようにしたくなかった。少しの間年寄りになることで、彼女は何かを学び、それが実際に年を取ったとき、彼女をよりよいおばあちゃんにするかもしれない、と考えたんです。とにかく、ソフィーは年をとることでより元気になり、思ったことを口に出せるようになる。恥ずかしがり屋で内気な少女から、はっきりものを言う正直な女性にと変わる。あまりないモチーフだし、おばあさんがスクリーンの中心を占めるなんて大きなリスクです。でも、若いということが幸せを意味すると思うのは幻想です

もちろん「ハウルの動く城」の第一のテーマが「60歳の少女のための映画」であるにしろ、他のテーマも隠されていることでしょう。「千と千尋の神隠し」が「10歳くらいの女の子のために作った映画」と言っていても、他にもいろいろ含んでいるように。

そんな中では、東京大空襲との関連を説いた極東ブログの[書評]ハウルの動く城が、なかなか興味深いと感じました。

*vitalage*blog のハウルの動く城という感想は、割と素直な感想かなと思いました。


「ハウルの動く城」のもっと具体的な謎に関する疑問については、以下など参照。

ハウルの動く城の謎あれこれ
ハウルの動く城 FAQ集

FAQ集にある
Q.EX1.作品が不評のようですが・・

関連スレでよく出る不満
・声優(倍賞が少女のときも年寄り声、キムタクが肝心なところで棒読み)
・説明不足(戦争原因、突然過去に戻る展開、唐突な王子に戦争を終わらせる宣言)
・戦闘シーンがない、クライマックスがない、カタルシスが得られない
・見終わっても心になにも残らない(胸をうつ要素がない)
いずれにしても不親切な作品のようです

について、一応個人的見解を述べておくと、
  • 声優 → 主観の問題なのでなんとも。私は別に気になりませんでした。むしろよくやっている方かと。
  • 説明不足 → 戦争原因については、ここで問われるべきは、原因ではなくその愚かしさかと。原因を明確に描写しなかったのは、むしろ意図的なものと感じます。
  • カタルシスが得られない等 → 上で述べた通り。ハリウッド映画の見過ぎ?
  • 心になにも残らない → まぁ、その人の感性の問題

とはいえ、私もラピュタとかの方が好きです。

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蟲師


蟲師DVD を見ました。

蟲師は、最近では私が単行本を買っている数少ない漫画の1つなのですが、たまたまレンタルで DVD を見かけたので借りてみました。

漫画のアニメ化は、原作のイメージが多かれ少なかれ壊されているので、違和感を感じることもあります。蟲師は、テレビの深夜放送でアニメ化されているので、他の深夜枠のアニメのように明らかに手抜き低予算で雑な作りになってしまうのかと思いきや、ほとんど完璧にその世界観が忠実に再現されており、素晴らしかったです。監督さんも原作世界に忠実であろうと、かなりがんばっておられるようです。蟲師はあの独特の世界観が命のところがありますので、大変嬉しいです。

映像が大変美しく、音やその他の設定と相まってよき世界を作り出しているので、漫画しか読んでいない方も、一度 DVD を鑑賞されることをお薦めします。

Posted at 01:21 AM       Permalink       Hatena Bookmark

木 - 3月 24, 2005

運命を分けたザイル


運命を分けたザイルを見てきました。最初は見終わったら感想をいろいろブログに書こうと思っていたのですが、実際に見終わったら、

すごい・・・

という感想しか出てこなくなってしまいました。

運命を分けたザイル
これは 1985年に実際にあった話です。

ひょんなことから事前にいろいろ話を聞いてしまっていて、例えば使っている装備はすべて当時のものだとか、這いつくばって奇跡の生還をすることとかは知っていたんです。

映画が始まってみるとその映像は圧巻で、なまじクライミングや雪山をほんの少しですがかじっているだけに、その峻烈さや恐怖がわかりましたが、まったく山の経験がない人が見ても、このすごさは伝わるだろうと思ってみていました。実際そうだと思います。映画を見始めた最初のうちはブログにこんな感想を書こうかなぁ、とかいろいろ考えていたんです。

しかし

見終わったらそんなこと全てぶっとんでしまいました。

すごい。
すごすぎる。

そんな陳腐な感想しか言えません。

しかしこれは見てほしいです。こういう本物を見たら、バーティカル・リミットなんてクソですよ、クソ(まぁ、これを見なくても、バーティカル・リミットはクソですが)。

Posted at 01:19 AM       Permalink       Hatena Bookmark

木 - 10月 21, 2004

イブラヒムおじさんとコーランの花たち


トルコ人移民イブラヒムおじさんの表情が素敵です。見に行きたいなー (最近ぜんぜん映画見に行けてない・・・)。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち公式サイトより
「笑ってごらん・・・幸せになれるから」- 笑顔を知らないユダヤ人少年に人生の素晴らしさを教えたのは、年老いたトルコ移民の商人だった。




この作品、第17回東京国際映画祭に出展されています。
期間:平成16年10月23日(土)〜10月31日(日) 9日間
開催会場:Bunkamura(渋谷区)、六本木ヒルズ(港区)をメイン会場として、ほかの都内の各劇場及び施設・ホールを使用

Posted at 01:56 AM       Permalink       Hatena Bookmark

木 - 9月 2, 2004

モンゴル映画:らくだの涙


モンゴル映画が日本の映画館で公開されるのを聞いたのは始めてです。(知らないだけで、以前にあるのではないかと思いますが)

白い子らくだを生んだ母らくだが、どういうわけか子育てを放棄してしまい、それを直すために馬頭琴による「伝説の音楽療法」を試みる、という話です。(「らくだの涙」公式サイト)
モンゴル南部に暮らす4世代の遊牧民一家は、厳しい冬が過ぎると暖かな春と共にらくだの出産時期を迎え、毎日大忙しです。ある日、若い母らくだが難産の末、白い子らくだを産み落としました。しかし、その母らくだは初めての出産で苦しんだショックからか、子らくだへ乳をあげようとしません。心配した家族は、"伝説の音楽療法"で母らくだの母性を呼び覚まし傷ついた心を癒すため、遠い町から馬頭琴の演奏家を連れて来ることにしました。果たして、母らくだは子らくだを受け入れることができるでしょうか…

ここで使われる楽器は馬頭琴ですが、モンゴルでホーミーは子馬をあやすのに使われると聞いたことがあります。わたしは人間のこどもをあやすのに使ってますが。馬頭琴は「スーホーの白い馬」で有名ですね。モンゴルで生の馬頭琴演奏を聴いたことがありますが、聴きたくて聴くことになったわけではなかったので、お金なんて払わないよ、という狭い心でいたのですが、終わってみれば演奏に魂を揺さぶられ、おしげもなくお金を出している自分がいました。

都内だと巣鴨に「シリンゴル」というモンゴル料理店があって、馬頭琴の生演奏を聴くことができます。

モンゴルは何もない国なのだけど、なぜか心が惹かれます。急速な経済開放で崩れつつあるようですが、遊牧民であるモンゴル人の本来の価値観は「持たないこと」にあったのです。富の蓄積と財産の所有に価値を置く現代社会とは違い、遊牧のため移動を前提にしている彼らは「持たない」文化を育てたのでした。持ち物をいかに必要最小限度のものに抑えるかが重要だったのです。近代的な価値観が限界を迎えつつある今、モンゴル人の生き方に学ぶものがあるのではないでしょうか。

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日 - 8月 22, 2004

炎のジプシーブラス


佐渡のアース・セレブレーションにも参加したファンファーレ・チォカリーアを取り上げたドキュメンタリーです。同じルーマニアの「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」は弦楽器中心ですが、こちらはブラスが中心ですね。

ファンファーレ・チォカリーアは、ルーマニアのゼチェ・プラジーニという村出身のジプシー・ブラスのバンドなのですが、この村、地図にも載っておらず、ドイツ人の若者が1996年に彼らを「発見」するまでは、まったく知られていなかったのです。そのドイツ人の若者は、彼らのマネージャとなることを決意、世界へファンファーレ・チォカリーアが紹介されることになりました。(大らかな(?)ジプシーの彼らをマネジメントするのは人並みならぬ苦労があるらしいです。)

で、そのいきさつがこの度映画になったわけです。
ドイツ人がおったまげた!
ひょんなことから、村に辿り着いた音楽好きのドイツ人。こんな凄まじいブラスが!ドイツ人は恐るべきパワーとスピードに仰天した。みすぼらしい生活から脱出したいという切ない願いで、村びとたちはドイツ人に夢を託すのだった。ドイツ人とジプシーの人々、この出合いが大きな成功を生んだ。

炎のような熱いブラスが世界を駆け巡る!来日映像も必見!
かくして、ルーマニアの小村発、ドイツ、イタリア、世界へと、チォカリーアの旅が始まった。ツアーの稼ぎで村に教会を建てた!楽器も買えた!
2000年、超高速音に乗って日本にまでやってきたチォカリーア。超満員、熱狂の東京のライヴ!おまわりさんが出動した渋谷ハチ公前パフォーマンスもフィーチャーされています!
Brass on Fire
Brass on Fire

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水 - 8月 4, 2004

地球交響曲 [ガイアシンフォニー] 第五番


地球交響曲は不思議な映画です。その5作目がこの夏から公開されます。
上映地・スケジュール

地球交響曲は、普通の (台本と役者さんによって演じられる) 映画ではなく、どちらかというとドキュメンタリーです。いろいろな分野で活躍している人などが出てきて、自分の言葉で自分の考えを語っているだけの映画です。といってもどんな映画なのだか、ぜんぜん見当がつかないと思いますが、以下にこれまで出演した人を列挙してみます。(※は個人的に付けた注釈です)

ラインホルト・メスナー [登山家]
ダフニー・シェルドリック [動物保護活動家]
野澤 重雄 [植物学者]
エンヤ [シンガーソングライター] ※ CD作品
鶴岡 真弓 [ケルト美術研究家]
ラッセル・シュワイカート [元宇宙飛行士]

ジャック・マイヨール [フリーダイバー、イルカの友] ※ 映画「グラン・ブルー」のモデル
ダライ・ラマ [チベット仏教最高指導者、東洋の叡智] ※ ダライ・ラマ法王日本代表部
佐藤 初女 [日本のすてきなおばあちゃん、日本の女性の生活の中の叡智]
フランク・ドレイク [天文学者、宇宙生物学者、地球外知的生命探査計画の父] ※ SETI プロジェクト

星野道夫 [写真家] ※ 公式サイト
フリーマン・ダイソン [ 元プリンストン高等学術研究所教授。宇宙物理学者]
ジョージ・ダイソン [オーシャン・カヤック・ビルダー]
ナイノア・トンプソン [ハワイ先住民族、カヌー航海者]

ジェームズ・ラブロック [生物物理学者、「ガイア理論」の創始者]
名嘉 睦稔 [版画家] ※ 公式サイト
ジェーン・グドール [ 野生チンパンジー研究家]
ジェリー・ロペス [ビッグ・ウェイブ・サーファー]

この中の名前に1つでも反応するものがあれば、ぜひ見に行って下さい。1つも知らなかったとしてもいい映画ですよ。


Posted at 11:45 PM       Permalink       Hatena Bookmark

沖縄映画:風音 [ふうおん]


ちょっとテーマは重たそうですが、使われている音楽がわたしの好きなものだったので興味があります。

風音〜The Crying Wind オフォシャルサイト
舞台は、夏の沖縄。強い海風が吹くと、不思議な音がきこえる「風音」の島

で、音楽なんですが、なぜかルーマニアのジプシーバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」(CD) がやっているんです。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは、映画「ラッチョ・ドローム 」「耳に残るは君の歌声」などに出ています。最近は日本でも知られるようになって、たまに来日しています。

もう1人が沖縄出身のミュージシャン、平安隆。(CD)
かつては喜納昌吉&チャンプルーズに参加してたこともある人ですが、その音楽は島唄からブルース、R&B、ロック・レゲエ・スカ・ファンク・ジャズと多彩です。

この渋い(?)音楽選択だけで、この映画見に行きたくなってしまいます。
8月7日(土)に映画の公開に合わせたオールナイト(!)のイベントがあるみたいです。
『風音』公開記念オールナイト

8/7(土)「オキナワ式旧暦七夕祭り 朝まで毛遊び(もうあしび)」
23:45〜
三線名人・平安隆の唄に酔い、「ちゅらさん」で大人気の芸人・藤木勇人に笑い、そして映画『風音』に泣く。
スペシャルライブ
「平安隆バンド」 ボーカル&三線:平安隆 ギター:大竹健 パーカション:永原元
     +
エイサー「ティダ・エイサー隊」 MC&話芸「藤木勇人」
上映作品:『風音』
※『風音』メイキングなど秘蔵映像上映あり
※入場者全員にオリオンビールか泡盛一合瓶のプレゼントあり
★当日料金3000円均一。当日17時より劇場窓口にて整理券番号付当日券販売。
★『風音』の前売券+差額1600円でもご入場頂けます。

Posted at 01:27 AM       Permalink       Hatena Bookmark

木 - 7月 29, 2004

炎のムエタイ映画


この夏、おもしろそうなタイ映画が上映されます。

マッハ!!!!!!!!」という映画です。マッハ!!!!!!!! が掲げているのは以下の5つ。
一つ、CG を使いません
二つ、死んでもワイヤーは絶対使いません
三つ、主役は俺だ、スタントマンを使いません
四つ.早回しを使いません
五つ、最強の格闘技ムエタイで闘います

確かに最近のアクション映画はワイヤーや CG を使いすぎてる。ふと、これを読んで思ったんだけど、これってジャッキー・チェンのやってきたことですよね。ジャッキーはやはり偉大だ。

Posted at 12:34 AM       Permalink       Hatena Bookmark

金 - 7月 9, 2004

東京平和映画祭


7月17日に東京・代々木のオリンピック記念青少年センターで東京平和映画祭が開かれます。

上映は以下の6作品。「チベット・チベット」は前から見てみたかったので行ってみたいのですが、別の予定が・・・。

マルディエムー彼女の人生に起きたこと 』(海南友子監督作品)
ヒバクシャー世界の終わりに』 (鎌中ひとみ監督作品)
ヤカオランの春』 (川崎けい子・中津義人監督作品)
『教えられなかった戦争〜第二の侵略』(高岩仁監督作品)
テロリストは誰?』 (フランク・ドリル編集作品 日本語版:グローバルピースキャンペーン)
チベット・チベット』(金森太郎こと金昇龍監督作品)


うーん、Mac IE だと引用範囲が壊れてしまう・・・。

Posted at 11:52 AM       Permalink       Hatena Bookmark


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