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モンゴル映画:らくだの涙


モンゴル映画が日本の映画館で公開されるのを聞いたのは始めてです。(知らないだけで、以前にあるのではないかと思いますが)

白い子らくだを生んだ母らくだが、どういうわけか子育てを放棄してしまい、それを直すために馬頭琴による「伝説の音楽療法」を試みる、という話です。(「らくだの涙」公式サイト)
モンゴル南部に暮らす4世代の遊牧民一家は、厳しい冬が過ぎると暖かな春と共にらくだの出産時期を迎え、毎日大忙しです。ある日、若い母らくだが難産の末、白い子らくだを産み落としました。しかし、その母らくだは初めての出産で苦しんだショックからか、子らくだへ乳をあげようとしません。心配した家族は、"伝説の音楽療法"で母らくだの母性を呼び覚まし傷ついた心を癒すため、遠い町から馬頭琴の演奏家を連れて来ることにしました。果たして、母らくだは子らくだを受け入れることができるでしょうか…

ここで使われる楽器は馬頭琴ですが、モンゴルでホーミーは子馬をあやすのに使われると聞いたことがあります。わたしは人間のこどもをあやすのに使ってますが。馬頭琴は「スーホーの白い馬」で有名ですね。モンゴルで生の馬頭琴演奏を聴いたことがありますが、聴きたくて聴くことになったわけではなかったので、お金なんて払わないよ、という狭い心でいたのですが、終わってみれば演奏に魂を揺さぶられ、おしげもなくお金を出している自分がいました。

都内だと巣鴨に「シリンゴル」というモンゴル料理店があって、馬頭琴の生演奏を聴くことができます。

モンゴルは何もない国なのだけど、なぜか心が惹かれます。急速な経済開放で崩れつつあるようですが、遊牧民であるモンゴル人の本来の価値観は「持たないこと」にあったのです。富の蓄積と財産の所有に価値を置く現代社会とは違い、遊牧のため移動を前提にしている彼らは「持たない」文化を育てたのでした。持ち物をいかに必要最小限度のものに抑えるかが重要だったのです。近代的な価値観が限界を迎えつつある今、モンゴル人の生き方に学ぶものがあるのではないでしょうか。

Posted: 木 - 9月 2, 2004 at 02:51 AM               Hatena Bookmark



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