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自分の名前が表示できなくなる? - JIS X 0213:2004 問題


先日、コードネーム Longhorn と呼ばれていた次期 WIndows OS「Vista」が、日本語フォントの JIS X 0213:2004 対応を行うと正式発表しました。(参照:マイクロソフトITmediaINTERNET Watch など)

しかし、このことにより、今まで表示されていた漢字の字体が変わってしまう問題が生じます。端的に言うと、辻さんや樋口さんや榊原さんの大半が困ってしまう事態になってしまうわけです。

9月15日:追記あり

この問題は各所で指摘されていますが、最近目にしたものでは以下がわかりやすいかな?(リンク先を参照)

久我蒼一(くが♪そ〜いち)の不定期日記 - 新人名用漢字 字体に関する問題 その2
1997JISで表現できていた字体が表現できなくなるという問題が発生するのです。その字体は、2004JISでは事実上「追放」されたのと同じになります。新人名用漢字にかかわるものは、以下の82文字になります。

INTERNET Watch の記事によると、
こうした不具合を解消するため、字体切り替え機能を提供する予定だという。

とのことですが、MS ゴシックや MS 明朝などの MS フォントは、フォント名はそのままに字体を変更するようです。それでは Winddows XP で書いた文書を Windows Vista に持っていると、必然的に字体化けが生じてしまいます (その逆も然り)。少なくとも、字体が変わるならフォント名も変えた方がわかりやすい気がするのですが、どうなんでしょうか。例えば、「MS ゴシック」と「MS Vista ゴシック」というように名前を付ければ、フォントが変わると字体が変わる、ということがわかりやすいと思うんですけどね。同じ名前なのに字体が違うと、絶対混乱を招くのではないでしょうか。

Mac OS X の場合、以前から JIS X 0213:2004 には対応していることとなっています。OS X の標準日本語フォント、ヒラギノフォントは既にこれらの字体をすべて持っており、また、OS X には字体を切り替える機能が備わっているため、字体切り替えで異体字を選ぶことによって、 JIS X 0213:2004 の字体を表示させることができます (アプリケーションが対応している必要がありますが)。ただ、字体が変わってしまう文字のうち7文字については、台湾の文字コード規格との互換漢字として別の Unicode 符号位置が割り振られており、今の Mac OS X 上でこれらの文字を表示させたい場合、表示はできますが、異なる Unicode 符号位置になるということになります。

参照;小形克宏の「文字の海、ビットの舟」——文字コードが私たちに問いかけるもの:JIS X 0213の改正は、文字コードにどんな未来をもたらすか(11)改正の影響:フォントデザインを変更しないアップルコンピュータの真意(下)

なかなか一筋縄では行かない問題ですね。漢字と文字コードの問題は、いつまで経っても尽きることがありません。

この問題を詳しく理解したい方は、上記で紹介した小形克宏の「文字の海、ビットの舟」——文字コードが私たちに問いかけるものの各記事を読んで下さい。


#ところで、INTERNET Watch の記事のフォント画像は、もしかして Mac OS X のヒラギノでは?(元々の出典は経済産業省だそうです。) こうした文字をまともに表示できる実用的な OS が Mac OS X だからかもしれませんね。扱えるというだけなら超漢字とかもありますが。

9月15日追記

ITmediaニュース:「Vista」新フォントは「国語政策的にも正しい」
つまり、新JISの書体は、以前のWindowsに搭載していた略字よりも「正しい」。とはいえ、以前のWindowsで使えた文字が、Vistaでは表示・印刷できなくなるのではという懸念は残る。同社はこれに対して、字体切り替え機能で対応する予定だ。

字体切り替えで対応するのはいいのですが、結局標準状態では、表示される文字が異なってしまうということですよね。それが問題なのに。しかも、
新JISに対応したMSゴシックとMS明朝のフォントをWindows XPとWindows Server 2003向けに提供する予定だ。新JISのフォントをXPでも表示できるようにし、互換性を保つ。

こんなことしたら、ますます混乱を招くんじゃないでしょうか。MS ゴシックと言いつつも、フォント名は微妙に変えるんでしょうか。

Posted: 火 - 8月 9, 2005 at 12:12 AM               Hatena Bookmark



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