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「文字の海、ビットの舟」が1年ぶりに更新


小形克宏の「文字の海、ビットの舟」——文字コードが私たちに問いかけるものが、1年ぶりに更新されています。

一度当ブログでも取り上げた、Windows Vista で採用されるメイリオフォントあたりの話から入っています。(当ブログ内記事:自分の名前が表示できなくなる? - JIS X 0213:2004 問題)

小形氏は、例字体の変更が混乱を招くだろうことを、改めて指摘しています。

小形克宏の「文字の海、ビットの舟」:特別編29 JIS X 0213の改正を総括する(1) 改正を繰り返した挙げ句、78JISの字体に戻ってしまったJIS文字コード
本当にこのJIS改正が混乱を引き起こさないかというと、そう簡単には済まない。心配されるのは、厳密には非互換変更になる10字追加の部分ではなく、皮肉なことに規格の本質から見れば、わずかな変更であるはずの例示字体を変えた部分だ。どういうことだろう? 改正の前後でフォントに収録された文字の形は、以下の2つの実装に分かれるはずだ。

 A)改正後の例示字体にもとづいた形
 B)改正前の例示字体にもとづいた形
上に述べたAはWindows Vistaに搭載される新MSフォントのことだし、Bはアップルのヒラギノフォントのことだ(具体的な両社の方針は回を改めて説明)。さらに言うと、フォントのレパートリーをJIS X 0213の部分集合であるJIS X 0208に限れば、Windows Vistaより前のMSフォントを含め、現時点の日本語フォントは、ほとんどすべてBに分類される。こうしてAとBの間で包摂の範囲内、つまり字体レベルの文字化け、「字体化け」が発生することになった。

私としては、メイリオフォントでの改正後の例示字体採用は原則論としては正しいのかもしれないけど、現実的ではないと感じます。同じ Windows 同士でさえ Vista と XP 以前では字体化けが生じるのは別に構わないんでしょうかねー。

Posted: 火 - 12月 27, 2005 at 01:56 AM               Hatena Bookmark



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