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歩かない人々


運動不足の都会人には、階段なんか絶好の運動の機会だと思うのですが、エスカレータやエレベータのあるところで階段を使う人はあまり見かけません。みんなそんなに楽したいのかなぁと思っていたら、日経新聞に興味深い記事が。

以前から駅などで大した距離でもない階段でも、行列を作ってまでエスカレータに乗っていく人を眺めて、なんでそんなに乗りたいのかねぇと思ってました。むしろ運動しない人ほど、エスカレータやエレベータを使いたがる気もします。日経新聞3月9日夕刊の記事によると、どうやらそれをある程度科学的に説明できそうです。

筋肉には有酸素運度を担う遅筋 (赤筋) と無酸素運動を行う速筋 (白筋) があるのは、知っている人が多いのではないかと思います。乳酸は速筋が無酸素運動を行うときに生成される物質で、これがたまると筋肉が疲労したと感じます。

慢性的な疲労の目安として、血液中の乳酸濃度を測定することがあるのですが、なぜ激しい運動もしてないのに乳酸濃度が高くなるのでしょうか。

東海大学医学部・山村雅一教授によると
運動不足だと立ったり歩いたり程度の簡単な作業でも、うまく酸素を使えずに白筋を使ってエネルギーを使っているのだと思う

とのことなのです。
運動不足で不健康な状態だと、体内の血流も悪く、脳や筋肉は慢性的な酸素不足になる。このため、赤筋やピンク筋がうまく働かず、白筋が乳酸を作ってしまうと考えられるのだ

運動不足な人が疲れ気味なのには理由があったのです。疲れているから、体を動かすことを避け、ますます疲れやすい体になっていくという悪循環ですね。

さらには、山村教授は以下のようなことも指摘しています。
糖質を消費する白筋を使うには、血糖値を高く維持する必要がある。これが糖尿病につながるのではないか。また、赤筋を使えないと脂肪が消費されないので、肥満は避けられない

もうこうなってくると、不健康スパイラルですね。

というわけで、できるだけ体を動かすようにしましょうねー!

Posted: 水 - 3月 9, 2005 at 11:05 PM               Hatena Bookmark



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