911事件は3周年を迎えました。大統領選前ということで警戒されていましたが、とりあえず何事もなかったようです。911に先立って共和党が党大会をニューヨークで行いましたが、その様子を知ると911を道具としてしか考えていない共和党の姿勢が浮かんできて、嫌な気持ちでいっぱいになります。

ニューヨークでの共和党大会は1800人を越えるという過去最高の数の逮捕者を出して終わりました。この共和党大会の何が最低かというと、共和党が党大会をニューヨークで開くようにしたのは、ニューヨークの人と対話し、その支持を得るためではなく、ニューヨークの911事件を選挙の道具にするためだということです。

ニューヨークは伝統的にリベラルの強いところで、過去４回の大統領選はいずれも民主党が制しています。共和党ははなからニューヨーク州が取れるとは思っていません。ニューヨークはただの道具にすぎないので、いくら逮捕者を出しても気にしないし、党大会が行われたマディソン・スクウェア・ガーデン周辺を厳重警備にして、駅の出入り口を封鎖したり、厳しい交通規制を行って、ニューヨーク市民の不興を買うようなことを平気でやったというわけです。(ちなみにニューヨーク市の会計監査役の試算では、テロ対策で警備が厳重になり、商業などに悪影響が出る結果、大会開催に伴う経済損失が 3億900万ドル (約340億円) に達する、と発表していました。) この話を知って、わたしは愕然としてしまいました。アメリカはいったいどこへ行こうとしているのでしょう。

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