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あいのり学校?


今週のあいのりで、もう少しで 900万円に達しようとしているあいのり募金を使い、あいのり学校を建てるって言ってました。テレビ局だけでそんなことはできるはずない、と思ったら案の定。

テレビ局だけでそんなことはできるはずない、と思った根拠は、こういうものは作ることより、作った後の方が大変だからです。箱を作るのは金を出せばできる。問題はその後です。校舎を建てるだけだったら、箱もの行政と何ら変わりがありません。ハードウェアがあってもソフトウェアがなければ意味がありませんし、ハードウェアだって作りっぱなしというわけにはいかず、メンテナンスが必要です。

よく善意のオバさん、オジさんが○○国の貧しい山村に小学校を建てよう、と言って、募金を集めて学校を建てる話がありますが、その後の運営がうまくゆかずに無駄になってしまっていることがあります。学校を建てるところまでは募金もよく集まるのですが、建て終わってしまうとなかなかお金も集まりづらいものです。成果がパッと目に見えるものではなく、地道に活動こそが大事なのですが、それを理解して支援してくれる人は少ないのです。

NGO が「sustainable (持続的) な支援」ということを言うようになったのは、そのような反省に立っているからなのです。学校をつくるにも、ちょっと考えただけでもいろいろ考えなければならないことがあるのがわかるでしょう。

・学校の運営費は?
・先生の人材、給料は?
・こどもたちの教材の調達、教材費は?
・学校に来る経済的な余裕のないこどもたちをどうするのか?

上に挙げたようなことを、その国の政府がちゃんとやってくれればよいのですが、それが難しいからこそ、今まで学校がなかったとも言えるでしょう。そこへ学校を作るのだから、学校の完成後も、継続的な協力が欠かせないのがわかると思います。

で、あいのり募金のサイトを見てみたら、やっぱり NGO が協力していました。番組中では NGO の N の字すら出ませんでしたが、日本国際飢餓対策機構という NGO と共同プロジェクトということで、エチオピアに学校を作るようです。
現在、エチオピアで最も活動実績のあるNGO「日本国際飢餓対策機構」との共同プロジェクトとして、学校建設に取り組んでいくことを検討しています。

共同プロジェクトと言ったって、フジテレビはお金を出すだけで、実際にすべてを実行に移すのは日本国際飢餓対策機構でしょう。なのにテレビでは自分たちだけでやっているような感じで NGO のことをおくびにも出さなかったのは、ちょっとな、という気がします。それでも NGO 側は十分な予算が確保できるだけでもありがたいと思っているでしょうから、協力しているのだと思います。

どうもこの話題になると批判的な書き方になってしまいます。しかし、何はともあれ、テレビの力で寄付が沢山集まり、それが必要とされているところに正しく使われることになるなら、それは素晴らしいことです。今集まっている 900万円弱のお金だって、あいのり募金に寄付されなかったからといって、代わりに NGO のところに来たかというとそんなことは絶対ありません。あいのり募金自体もちょっとずつ成長してるようですから、厳しく温かい目で見守りたいと思います。

■ 当ブログの関連記事

あいのり募金を考える
あいのり募金その後
あいのり募金だけでなく


おまけ:
クリックで救える命がある。というサイトがあります。バナーをクリックすると各企業が代わりに1円寄付してくれるというものです。小さい額でも積み重なれば役にも立つと思うので、当ブログの右部ナビゲーションにもリンクを貼っておきました。

12月14日追記:
こんな募金情報もありました。
Think the Earth - 緊急支援情報:南部アフリカ食糧危機

また、本気で支援をお考えでしたら、緊急支援だけでなく、長期的な支援も検討してみて下さい。

Posted: 木 - 12月 9, 2004 at 02:21 AM               Hatena Bookmark



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