本ブログの更新は停止しています。更新は新しいサイトの Travellers Tales で行なっています。

選挙結果のまとめいろいろ


今回はニュースやコラムの引用です。なかなか鋭い指摘もありますね。

東京新聞「小泉不敗神話が崩壊 『人生いろいろ』…逆風加速」
 自民党は、「三種類の逆風」にさらされた。年金制度改革関連法案の強行採決。イラクで編成される多国籍軍への自衛隊参加問題。そして「人生いろいろ」に代表される首相の雑な発言だ。
 これらの逆風の源流をたどると、すべて「首相が説明責任を果たしていない」という問題に行き着く。年金法案の扱いは、国民や野党に対する説明や配慮を欠いていた。自衛隊の多国籍軍参加は、国民より先にブッシュ米大統領に表明した。そして、「人生いろいろ」発言は、自らの不動産会社社員時代の厚生年金保険料肩代わり問題を追及された時、開き直るように飛び出した。

いつまでも小手先で国民をだませると思っているとしたら哀れです。


東京新聞「民主躍進でも 自民苦戦でも」
投票率は56・57%と前回(二〇〇一年)をわずかに0・13ポイント上回るにとどまった。
 慶応大学経済学部の金子勝教授(経済学)は「この選挙の意味を若い人らは甘く見ていて投票に行くのを怠った」と残念がる。その意味を同教授はこう説く。
 「実は小泉首相にとっては、憲法九条だって変える必要はない。骨抜きにすればいいだけだ。多国籍軍参加など、既成事実を積み重ねて現実と憲法のかい離を広げる。この政権の怖さは改憲とかではなく、議会制民主主義や法治主義を無視しているところだ
既成事実の積み重ねで法の支配をうやむやにする。なんだか過去に聞いたことがあるような。
金子教授は「小泉氏は自民党の最後のトリックスター(道化)で、実態と法律のかい離を広げる地ならし役だ。その後は当然、かい離を埋めろという議論しか出てこない。強烈なスターが出てくればファッショになる」と懸念する。
東京管理職ユニオンの設楽清嗣書記長も、今回の選挙結果が必ずしも「タカ派」路線への阻止線たり得ない、とみる。
 「小泉がダメなら、次は明確にタカ派の石原(東京都知事)という選択が出てきても不思議ではない。それに対し、民主党が防波堤になれるかといえば、党内に石原応援団がいることをみても期待できない。その意味で、やせても枯れても共産党や社民党という“抵抗勢力”は健全な民主主義に必要だったのだが…」

これは非常にありうることで、ものすごく恐いと思っています。確かに石原慎太郎は有能だし、実行力もありますが、よく考えた方がいいと思います。極端な例を挙げれば、ヒトラーだって第一次世界大戦後のドイツの閉塞感を打ち破る首相として拍手喝采で迎えられていたのですから。


天木直人「緊急発言—参院選挙をどうみるか」
私は今度の選挙は、ズバリ言って「公明党の一人勝ち、民主の期待はずれ、賞味期限の切れた小泉の予想通りの居直り、社民・共産の臨終」であると考えている。そしてそれはとりもなおさず国民のための政治を願う有権者の敗北である。
私は公明党のアキレス腱は「平和」と「憲法」にあると思っている。イラク戦争に賛同し、憲法改悪に賛成するような政党が信者の支持を受ける宗教者の集団なのか。命の尊さと弱者への思いやりをもっとも大切にしなければならないといわれる創価学会の会員たちは、自民党と連立を組んでイラクへ自衛隊を送り続けてアラブを敵に回したり、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと願う国民の気持ちを無視する公明党を認められるのか。

これは↑小泉政権を批判して外務省を去って「さらば外務省!」を書いた元外交官のコラムです。


毎日新聞「参院選:辻元清美さんは、なぜ敗れたか」
参院選:辻元清美さんは、なぜ敗れたか
けなげで、ひたむき、それでいて、したたかで、ちゃっかり。辻元さんには二つの顔がある。有権者はそれを見抜く。「自然体になりました」とは本人の弁だが、まだまだリキんでいた。推薦人に著名人の名前がずらーっと並んでいたのもそうだし、逆にやたらとうどん屋の娘、庶民性をアピールしたのもそう。町でおばちゃんに詰め寄られた場面があった。「アンタ、庶民をバカにしてるわ!

むしろあれだけ票を集めたのがわたしには驚きで、おばちゃんの怒りの方が正当と思います。「二つの顔」の本当の顔は後者でしょう。


毎日新聞「参院選:タレント・著名人、明暗分かれる 神取さんら落選」
参院選:タレント・著名人、明暗分かれる 神取さんら落選">初当選したノルディックスキー複合の五輪金メダリスト、荻原健司さん(34)=自民=は長野市のホテルで「(テレビの速報で)真っ先に自分の名前が出てきたのにはびっくりした」と真っ黒に日焼けした顔で喜んだ。
 一方、神取さんは開票開始から8時間以上待たされた末、午前4時25分、東京都新宿区の選挙事務所で「自分の力不足です。10万人もの人が支持してくれて感謝しています」と疲れ切った表情で頭を下げた。再選を目指した俳優、中村敦夫さん(64)=みどりの会議=は個人票で比例代表候補全体で21位の約20万票を獲得したが落選。公明党では約1万7000票で当選した候補もいる中、一定の政党得票が必要な選挙制度の壁に泣いた。

神取忍が落ちたのは当然だと思います。ていうか、当選してたら国民の良識を疑います。選挙戦の演説なんて「年金もイラク問題もよくわからないけど、スポーツマン精神でがんばります!」て言ってましたから。落ちた当人のことより、そういう人を担ぎだした自民党の良識を疑います。票が取れると思ったらなんでもいいのか。荻原健司が当選したのはそういう意味ではちょっとびっくりですね。人柄は良さそうなイメージはありますが、投票した人はほんとに国政が任せられると思って票を入れてるんでしょうかねー?わたしにはその辺りの感覚がよくわかりません。

中村敦夫は20万票近くとったのに落選、選挙制度のおかしさを感じますね。前のエントリに書いた、1票の格差によって得票率と議席が結びつかないことと合わせて、なんとか制度を改善してもらいたいです。だって、改善しなければ死に票がたくさん出てしまうのですから。今の与党が政権にいる間はダメでしょうね。自分たちに都合がいいものを彼らが変えるわけがない。

Posted: 木 - 7月 15, 2004 at 01:05 AM               Hatena Bookmark



©