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クライマー山野井泰史さんインタビュー


asahi.com のコラムに舞の海による山野井泰史さんのインタビューが載っています。ちなみに山野井さんは、ゴルゴ13 の中で世界に通用する日本人として名前があがった2人のうち1人です。(もう1人は平山ユージ)

山野井泰史(クライマー) 指失っても単独登山
 ——命をすり減らしてまで、どうして登るんですか。

 美しい山、未知の世界に触れてみたい、自分の肉体を試してみたいというのもあるけど、それだけじゃないですね。「ゾーン」というじゃないですか。集中して自分が普段持てないような力を出すとき。気持ちいいですよね。周り何キロにもわたって誰もいない。薄い酸素を吸って、強い紫外線を浴びて。空は水色じゃなくて紺色なんですよね。そうするとね、制御しなくてもゾーンに入りやすいんです。もしかしたら、今年もそれを味わいたくて、というのは少しはありますよね。普段じゃない自分を体験したい。

手足の指を10本切断することになりながらも、奇跡的に生還したギャチュンカン (7952m) からの脱出行の話は、読んでいて本当によく生きて帰ってきたなという感じがします。しかし、それだけでなく、この人は生き延びるための最大限の努力をしたから戻って来れたんだろうなということがよくわかります。このときの報告は山と渓谷などの山岳雑誌に載りましたが、一読の価値があります。今年出た著書「垂直の記憶−岩と雪の7章」にもギャチュンカンからの生還のことは書いてありますが、少し時間が経っているためか、雑誌掲載の報告より落ち着いた感じでまとめられているように感じました。

山野井さんのすごさを知るには「ソロ 単独登攀者山野井泰史」がよいです。本人による著書ではなく、ノンフィクションライター丸山直樹氏による本です。「垂直の記憶」よりまずこちらを読むことをお勧めします。

Posted: 水 - 10月 13, 2004 at 02:30 AM               Hatena Bookmark



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