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温泉に塩素殺菌は逆効果


温泉を塩素で殺菌すると、皮膚の老化が促進される恐れがあるという発表がありました。

毎日新聞「温泉無効:塩素殺菌すると、酸化作用で肌ガサガサの恐れ」より
殺菌のため温泉に塩素を投入すると、温泉が持つ還元作用が失われることを大河内正一・法政大工学部教授(水科学)と日本温泉総合研究所(東京都渋谷区)の研究グループが突き止め、東京都内で開催中の日本温泉科学会で11日発表した。大河内教授は「塩素消毒すると、酸化作用を持つようになり、皮膚の老化が促進される恐れがある」と指摘している。

ウルグアイ・ラウンド対策費で建てられたような新し目の温泉に行くと、ほぼ必ず塩素臭がします。浴場に足を踏み入れると、あのプールの消毒の匂いが漂っているのです。不快なだけでなく、肌の老化も促進するとは、温泉の意味がありません。

ウルグアイ・ラウンド対策費と温泉の関係について一応説明しておきます。ウルグアイで開かれた GATT で、日本は制限付きながら渋々米の輸入を認めることになりました。それと引き換えに政府は 6億円というお金をばらまいたわけです。こういったばらまき行政の常、農業の振興のためとされた 6億円ものお金は無意味に消えていきました。一部の自治体では農作業に従事する住民の疲れを癒すためとか、温泉で人を誘致し農産物の販売を行う、などの名目で温泉施設をつくりました。

ちなみに温泉は日本であれば掘ればどこでも出るのだそうです。掘る深さの問題で、予算に際限なく掘り続けることができればいつか温泉はでてくるそうです。) 無理に掘った温泉ですからほとんどのところでは湯量も十分でなく、かけ流しなんて不可能です。少ない水を循環させて使うため、塩素で消毒することになります。循環型の風呂で、レジオネラ菌による感染事故が何件か起こったことも、塩素消毒する傾向に拍車をかけたのだと思います。

お金の出所が本当にウルグアイ・ラウンド対策費かどうかわかりませんが、こうしたわけで近年誕生した温泉には、塩素臭い施設が多いのです。わたしも温泉に入るときはなるべく塩素消毒してなさそうなところ選びたいのですが、入ってみないとわからないので、安くないお金を払った後にがっかりすることがあります。老舗の温泉地でも最近新しくつくったような温泉施設は塩素臭いところが多いです。新しい施設の分までまかなえる湯量がないのにつくるから、塩素消毒してお湯を循環させることになっているのでしょう。

ただでさえ入浴剤を混ぜていたとか、水道水を涌かしていただけだったとか、いい加減さが明らかになってきている温泉です。成分表示のし方や検査の方法を見直す必要があるのではないでしょうか。

Posted: 月 - 9月 13, 2004 at 01:01 AM               Hatena Bookmark



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