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ロシア当局のなりふり構わぬ情報統制 - 北オセチア共和国学校占拠事件6


この事件の取材に向かった女性記者が毒殺されそうになった話などが取り上げられています。個人的には既知の情報ですが、大手マスコミがはっきり伝えたのは始めてだと思うので、記事にしておきます。

毎日新聞「露当局 なりふり構わぬ情報操作と報道規制」より
今回の事件では、ロシア当局によるなりふり構わぬ情報操作、報道規制が見られた。当初、人質数を354人とする過少発表、治安部隊突入後の戦闘を一切生放送しない国営テレビ、政権に批判的な紙面展開をしたイズベスチヤ紙編集長の解雇など。さらに外国人記者の逮捕、チェチェン紛争に批判的な著名なロシア人記者の毒殺疑惑まであった。

「毒殺」されそうになったのは、「ノーバヤ・ガゼータ」紙の女性記者、アンナ・ポリトコフスカヤ氏だ。同氏が9日付の英紙ガーディアンに寄稿した記事によると、1日、事件現場に入ろうとモスクワから南部ロストフまで飛行機で向かい、午後9時50分ごろ、機中で茶を飲んだ10分後に気を失った。現地の病院で治療を受け、意識を回復したが、看護師は「毒殺されかけ、絶望的だった」と語り、医師は「上からの命令で検査記録を破棄した」と明かした。

学校が占拠され、こどもを含む人質がとられた、ということは容認していいことではないが、ロシア当局がここまでする理由は何だろうと考える必要がありますね。事件とその後の当局の露骨な情報統制、世論誘導はニューヨークの 911事件とよく似ています。そういう意味でもこの事件がロシアにとっての 911事件になるのかもしれません。

日本の安易なマスコミは、確たる証拠もないのにこの事件をチェチェン独立派のテロということで片付けているみたいです。常岡浩介氏はこの問題に詳しいジャーナリストとしてテレビの取材にいくつか協力していますが、テレビ側のお粗末な報道ぶりに、協力したことを後悔しているほどです。
先日私がインタヴューを受けたり、 映像を提供したりしたフジテレビの「めざましテレビ」と テレ朝の「スーパーモーニング」をDVDに録画して持ってきてくれた。感謝感激。
しかし、録画を観て、内容の余りのひどさに絶句した。 不勉強と無知丸出しだという点に大きな違いはないが、 特に「めざましテレビ」はほとんど犯罪的な悪質さだった。 私が繰り返し、「学校占拠事件はバサエフの犯行ではないと思う」と語り、 その根拠を詳細に説明したにも拘らず、その点だけすべて無視してバサエフが犯人だという前提に立って番組を作っている。

ロシア当局の情報統制云々の前に、まともなジャーナリズムとして機能している日本のマスコミは存在しているのでしょうか。期待するだけ無駄、というあきらめが当たり前になってしまう日本の現状が悲しいです。

Posted: 日 - 9月 12, 2004 at 11:21 PM               Hatena Bookmark



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