本ブログの更新は停止しています。更新は新しいサイトの Travellers Tales で行なっています。

あいのり募金その後


私の書いた「あいのり募金を考える 」が影響してるのかどうかはしりませんが、フジテレビのサイトに少しまじめな文章 が載りました。

こんな文章です。
援助の怖さは、時に人々の働く意欲を削いでいくことにあります。
 あいのり募金は、アフリカの人たちが幸せになるために使われなければなりません。
 寄付した後、現地の人々が自分達の力で自立していけることが大切だと思います。そのために、現地の人々が「本当に何を必要としているのか」「多額のお金を渡しすぎてかえって逆効果にならないか」よく調べた上で、寄付していこうと思います。

この文章が載ったのは6月16日のようです。私のコメントより時間的には後なので、穿った見方をすれば、私のコメントを読んでから慌てて付け加えた可能性もなくはありません。ま、別にブログではなくても、直接番組に寄せられた意見などもあるので、違う可能性も高いでしょうけど。 (関係ないとは思うんですが、「あいのり募金」で Google で検索するとヒットしていた私の「あいのり募金を考える 」が、今はヒットしなくなっています。悪徳商法マニアックスの例 と同じじゃないといいんですけどね。)

で、その文章ですが、少しは考えた形跡が見られ、今までの取り組みよりましにはなりましたが、初回の40万円のときはあまり何も考えずに渡してしまったような気がします。
南アフリカ・ケープタウンのタウンシップの幼稚園は、ゴミにまみれた道路に囲まれていました。そこで、子供たちが安心して遊ぶ事ができるように、幼稚園のグランドをきれいに整備するための費用として、40万円お渡ししました。

突っ込み出せばきりがないですが、本当に必要なのはグランド整備だったのか、グランド整備に40万円もかかるのか、とか疑問は湧いていきますね。もちろん、グランド整備に40万円をかけることはできるでしょう。しかし、お金を直接グランドを整備することに使うのではなく、例えば地域社会に呼びかけてボランティアでグランドの整備等を行い、地域での取り組みを育てていくような活動を促進する、といった協力のし方も考えられます。学校を建てる、グランドを整備する、といった活動は一時的なものです。支援したそのときはよいかもしれませんが、一時的なものにとどまらず 10年後、20年後やもっと先まで役に立つようなものにするには、それだけでは足りません。「持続可能な支援」という意味はそのような意味だと思います。

支援先の選択という点から考えると、基本的には番組で訪れたところが普通は候補となるでしょう。番組の性格上しかたありませんが、そのような場所は、どうしても「わかりやすい」というか、言葉は悪いですが「お涙ちょうだい」的なところになってしまうでしょう。このあたりにも「あいのり募金」の抱える問題がありますね。

テレビ局としても、募金を呼びかけてはみたが、実は募金の使途を持て余している気がします。100万単位のお金をぽんぽんばらまくわけにもいかないですしね。1000万とか2000万円とか募金が集まったらどうするつもりなんでしょうねー。

何はともあれ、誰か必要な人のためにお金を役立てるのはよいことだし、募金の呼びかけにたくさんのお金が集まるのもよいことです。この際、アフリカで活動している NGO と協力して、あいのり基金として、いろいろな活動を支援していくのもよいと思います。


ちなみに文章の性格上、どうしても批判っぽくなってしまいますが、あいのり自体は別に嫌いでもなんでもなく、バラエティとして楽しんで毎週見てます。

9月1日追記:
今はちゃんと Google の検索結果にひっかかります。検索データベース更新のタイミングの問題だったんでしょうか。

Posted: 土 - 6月 19, 2004 at 04:33 AM               Hatena Bookmark



©