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沖縄・辺野古の海が危ない


ジュゴンの住む北限の海としても知られる、沖縄・辺野古の海で環境アセスメントを無視した海底切削が始まっています。米海兵隊普天間基地の代替施設としての海上基地をつくるための調査なわけですが、そもそもこのような海上基地自体が軍事的にも馬鹿げているのに、なぜ沖縄県と防衛施設庁、ひいては日本政府はこのような暴挙を進めるのでしょうか。

まず、海上基地が軍事的に意味がないことについての説明を、軍事アナリスト神浦氏のサイトから引用しておきます。
簡単にいうと、海上基地というのは極めて敵の攻撃に弱い基地である。地下壕は掘れない、周囲に防衛部隊を配備できない。交通路が限定される。航空、水上、水中から攻撃を受ける可能性がある。という軍事的な意味から、海上基地は空母機動部隊のように、強力な総合戦力で防衛されないかぎり弱体である。すなわち海上基地を維持するには他の戦力がさらに必要になる。それは今の状況ではおそらく不可能である。

北限のジュゴンを見守る会では今回の横暴な海底切削に対し、緊急の呼びかけを行っています。ちょっと長いですが、全文引用しておきます。
沖縄の東海岸辺野古からの緊急の訴えです。
 誰も信じられないでしょうが、辺野古の海の海底掘削の準備が16日から始まっています。
 しかも地元の住民や全国からこの海を守ろうと集まっている人々を無視して、環境アセスメント以前にこのような暴力がまかり通ろうとしているのです。沖縄県の環境影響審査会では異例の「アセスメント抜きのボーリング調査に反対する前文」が付帯され、ほぼ全員の委員がこのような防衛施設局と沖縄県のやり方に苦言を呈しています。また、環境アセスメントの専門家、東京工業大学の原科幸彦教授は他の県では考えられない暴挙だと驚かれています。帝京科学大学の海棲哺乳類の専門家、粕谷俊雄教授はこのような調査は沖縄のジュゴンにとって決定的なダメージを与え、絶滅を加速すると断言されました。
 一部まやかしの防衛施設局の地元説明会では、いかに環境に配慮してきれいな穴をあけるかがこと細かに説明されたそうですが、実際ボーリング調査のために立てられる櫓の高さは14階建ての沖縄県庁とほぼ同じ巨大なものです。これらの機材を乗せた台船を偵察したボーリング阻止の抗議船はまるで象と鼠のようで、実際に阻止行動にあたるカヌーでは象と蟻のような対比です。
 それでも明日からの海底掘削を何としても阻止しようと地元では懸命のカヌー訓練を継続しています。10代から70代に至る様々な乗り組み員が朝から夕方までかけがえのないジュゴンの海をまもろうして闘っています。
 このような環境アセス法の精神に悖る暴力に対し、ただちにボーリング調査を中止するように、稲嶺恵一沖縄県知事と岸本建男名護市長に抗議のFAXをお送り下さい。

○沖縄県庁 
Tel : 098ー866ー2000
Fax : 098ー860ー1453
知事室メールアドレス kouhou@pref.okinawa.jp

○名護市役所 
Tel : 0980ー53ー1212
Fax :0980ー53ー6210

詳しい情報はジュゴン最新情報をご参照下さい。

防衛施設局と住民の衝突を受けて、海上保安庁が介入して、今現在一時作業は中断しているようですが、現地からの報告を読むとひどい状況だったことがわかります。
素潜りで何とか海底の掘削を止めようとしている息子たちも、作業員たちは海面に呼吸しに上がるダイバーを上から押さえ付けたり、けったりして、武道で鍛えた息子さえ「気合いを入れてかからなければ、命がない」という情況で、ましてや50〜70代の女性たちが足場を組む単管によじのぼり、引きはがされて海に突き落とされたり、20才のか細い女性が作業金具に引っ掛けられ血を流してまでいる情況には・・・数日前まで同じカヌーに乗っていた私でさえ想像を絶します。

辺野古海上基地建設阻止のための船を購入するためのカンパなども行われています。

わたしは今年始めて沖縄本島を訪れました。わたしはそれなりに基地のある神奈川の出身なのですが、沖縄での米軍基地の存在感はまったく違いました。この実感は内地で暮らしている人間には、なかなか実感しにくいかもしれませんが、基地との距離感が違うと感じます。喜納昌吉がライブで「沖縄 (那覇) は飛行場を出ると、右は自衛隊、左は米軍で、道路の両脇は基地のフェンスが延々続いている、こんなのは沖縄だけだ」というようなことをよく言っているのですが、見てはじめて実感できました。

昨今は沖縄ブームで、癒しの島だとかいろいろ言われていますが、広告によってつくられるうわべのイメージだけを見ないで、沖縄の現実、日本の抱えるツケの大きな部分を沖縄に払わせているという現実を忘れないようにしたいです。

Posted: 日 - 11月 28, 2004 at 02:50 AM               Hatena Bookmark



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