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北オセチア共和国学校占拠事件6


この学校占拠事件に関し、犯人グループにチェチェン人がいなかったという話もありましたが、チェチェン強硬派のバサエフ司令官が声明を出したことで、この事件の首謀者が誰だったかということには決着がつきました。これがチェチェン人の仕業ではなければ限りなくロシア当局の「陰謀」と言えるくらいのものだったですが、そうではなかったわけです。しかし、つまるところ、ロシア当局は情報操作を行いこの事件を自分たちの都合のいいように利用したことは確かで、この事件の結果、当局は中央集権体制を強化することに成功しています。

このことは日本のマスコミでも指摘されてきています。
産經新聞「学校占拠 最強硬派が犯行声明 露政権、犯人側挑発か - 『中央集権』狙い政治利用」
ロシアの北オセチア共和国で今月初めに起きた学校占拠事件で、同国からの独立を目指すチェチェン共和国最強硬派のバサエフ司令官は十七日、犯行声明を出した。事件をめぐっては、反テロ強硬姿勢に傾くプーチン露政権がその処理にあたり犯人を故意に挑発するなど事件の政治利用を図ったとの疑惑が、当初の発表と食い違う事実の相次ぐ判明により一段と強まっている。

日本にとってチェチェンはあまりにも遠い場所です。石油が出るわけでもないし、安全保障に関わるわけでもない。300人以上の死者が出るという結果に終わったやるせない事件ですが、反射的に、テロなんてとんでもない、で終わらせず、例えば犯人が人道的に必ず非難されるであろう手段をなぜ実行したのかというようなことを、至る結論は同じでも、一度でも思いを巡らせる人が増えればと思います。

ちなみに今回の事件の犯人側の要求は
(1)独立承認(2)ロシア軍撤退(3)独立国家共同体のPKO部隊派遣

だったそうです (asahi.com より)。

Posted: 火 - 9月 21, 2004 at 01:17 AM               Hatena Bookmark



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